Tetsu Ikuzawa’s audio life 2.

下の写真のスピーカーは、60年近くも前に、アタシが大学生の頃に親に買ってもらったスピーカーです。

その後、決して環境は良くない倉庫に、ずっと放っぽってあったままです。音が出るかも分かりませんでした。「クライスラー」 と言う日本のスピーカーです。

アタシの大学生時代、1950年代の東京には「ジャズ喫茶」と言う、レコードをかけて聴かせてくれる喫茶店が沢山ありました。

このスピーカーは、学校帰りに寄る、新宿のジャズ喫茶に有ったスピーカーで、あまりにも素晴らしい音だったので、秋葉原へ行って同じものを親に買ってもらいました。

想い出のスピーカーです。

その後、50年間、半世紀もの間、倉庫に放っぽってあったままになっていて、1回も音を出していません! 「これを鳴るようにしよう」  なんて言うことにチャレンジしようとしています。

知り合いのオーディオ・マニアが調べたら:

クライスラー電気(株)のことを調べましたが、ネットには60年代後半からのモデルは出ています。このクライスラー電気は「昭電社」…などの社外ユニットを使い、エンクロージャーとネットワークを含めた設計で勝負していた会社だそうです。

当時、クライスラー電気の試聴室には、世界最高峰と云われた ALTEC のスピーカーと、クライスラー製のスピーカーとが並べられていて、 どれだけ ALTEC に似ているか比べられるようになっていたとか。これは1960年代初期の話です。

残念ながら、12H-70 に関しては何も資料は見つかりません。恐らく、当時、あまり一般的では無かった製品なので、誰も資料や現物を持っていない…ということかと思われます。昭和25年から始まっている会社のようですが、恐らく最初から ALTEC を目指していたのではないでしょうか? ちなみにクライスラー電気の製品は、アマチュア無線のマニアがよく使っていたそうです。 と、知り合いが。

以下の写真は、1960年代始めの頃の自宅。子供がオーディオなんて有り得ない時代です。 でもこの頃すでにレースで勝ち続けていてトロフィーだらけ。つまり、親に買ってもらわなくても、自分で買えるくらいに、学生ながら既に充分に稼いでいた!

SONY のオープン・リール・プレイヤーも有る!

先日、オーディオ仲間とで、倉庫で音を出しました!

50年間も、ずっと倉庫に放ってあったままで、半世紀もの間1度も音を出したことがなかったにもかかわらず、なんとそこからは信じられない素晴らしい音が!

全員が驚愕! しばらく聞き惚れました。

おそらく現存する唯一の 「CHRYSLER 12H-70」。

それにしても50年間、音の世界のテクノロジーの進歩は全く無かったと言うことになります! スピーカーに何百万円、いえ何千万円もかける人が居るなんてアタシには全く考えられません。